【Interview】絵本作家”宮野聡子さん”の フィンガーペイント体験|えほん博2025

先日、11月1日〜3日にかけて開催した「えほん博2025」で、
フィンガーペイントのワークショップを開催しました。
3日目には絵本作家の宮野聡子さんが
飛び込みでワークショップに参加してくださるという、
思いがけない出会いがありました。
描かれた作品は、宮野さんの描く絵本のように温かくて可愛らしくて
引き込まれてしまいます。
当日も楽しんで感想を伝えてくださった宮野さんに、
改めてインタビューさせていただきました。
宮野 聡子(みやのさとこ)プロフィール
1976年、東京都生まれ。女子美術短期大学情報デザイン科卒業後、グラフィックデザイン会社、子どもの本専門店の勤務を経て、絵本作家となる。作品に、『えんそく おにぎり』(講談社)、『パンツ ちゃんと はけたかな』(教育画劇)、『ともだちの ひっこし』(PHP研究所)、『ちいさな かわいい おべんとうばこ』(小学館)、『きまぐれレストラン』(金の星社)、『はっぱの おてがみ』(苅田澄子・作/世界文化社)、「パッピプッペポー」シリーズ(KADOKAWA)などがある。『いちばん しあわせな おくりもの』(教育画劇)で第7回リブロ絵本大賞を受賞。続編に『きみに ありがとうの おくりもの』『あなたに あいたい』『だいじょうぶ、ここにいるよ』などがある。
1.アトリエミオのゆび絵の具の感触は?

−「えほん博2025」ではたくさんのワークショップがありましたが、
私たちのところに立ち寄ってくださったきっかけはありますか?
たくさんのイベントブースが並ぶ中、
ひときわ目を引いたのが色とりどりの紙に描かれたフィンガーペイント作品でした。
どの作品ものびのびと自由に描かれていて素敵でしたが、
その色合いがまたとても素敵で、
「時間が許せば立ち寄ってみたいな」と最初から思っていました。
−作品をたくさん飾り、楽しさが伝わるといいなと思っていました。
アトリエミオのゆび絵の具の使い心地はいかがでしたか?
使ってみた感触は、イメージと全く違うものでした。
粘り気があるのにサラッとしていて、
リキッドファンデーションを指にのせて肌にのばしたときの感触に近いと思いました。
一緒にいた友人は、“ドーラン” に近いと言っていましたね。
その粘り気が、混色したときの絶妙なまざり具合を演出してくれるのかなと思いました。
2.少し変わっている、アトリエミオのお絵かき帳

−アトリエミのお絵かき帳は、あらかじめ色や抽象的な
モチーフが描かれています。
実際に描いてみていかがでしたか?
お絵描き帳の紙色が、少し発色をおさえたようなパステルカラーや、
くすみカラーで構成されていたところにアートセンスを感じました。
作品が絶対オシャレに出来上がってしまうというマジックですよね!
−そうなのです!お子さまの絵を飾ってもらうことを目指しているので、
センスのいいアート作品見えることも大事にしました。
抽象的なモチーフはイマジネーションの手助けとなってくれます。
描き出しの“はじめの一歩”にもなってくれて、
心強いのではないでしょうか。
−真っ白な紙に描く時と比べ、どんな違いが感じられましたか?
あらかじめ色や抽象的なモチーフが描かれていると
イマジネーションの助けになる一方、
窮屈に感じる場合もあるかもしれません。
私の場合、初めて出会う画材だったので、
試し描きをしながら混ぜ色を紙全体に広げていき、
抽象的な絵にもしてみたいと思いました。
そう言った意味では、お絵描き帳の中に
白一色の紙があれば尚嬉しいですね。
−たしかに、白い紙に描きたいというお子さんは、
紙を裏返しにして白い面でお絵かきをしていました。
そういう自由な発想を育んでいくことも狙いです。
3.お絵かきがニガテな子もトクイな子も

(写真 右:絵本作家の宮野聡子さん 左:声優の筒美奈子さん)
−アトリエミオのお絵かきセットは、
「お絵かきがニガテなお子さまも楽しめる」ことを目指して開発しました。
宮野さんは小さい頃からお絵かきが好きでしたか?
はい、大好きでした。
白い紙、ノートには目がなくて、
いつも何かをちょこちょこ描いていました。
一方で、大きな画用紙に描くのは今でも少し緊張してしまいます。
失敗してしまうんじゃないかという不安があるせいだと思います。
「お絵かきがニガテなお子さまも楽しめる」
というコンセプトは素晴らしいですが
「お絵かきがトクイなお子さま」にも是非手に取ってもらい、
一緒に楽しい時間を共有できたら良いですよね(o^^o)
−そうですね。お絵かきが大好きなお子さまにも、
もっと好きになってもらえる体験になればと願っています!
4.絵本を描くときに心がけていること

−最後にお聞きしたいのですが、
絵本の絵を描くときに心がけていらっしゃることはありますか?
これといって特別なことはしていないのですが、
絵を描く時間と“自分の楽しみ”を、
同時進行するようにしています。
つまり“美味しいコーヒーを飲みながら描く”、
“好きな映画や音楽を流しながら描く”、
“家族のいる居間でおしゃべりをしながら描く”、
といった具合です。
もちろん、絵本作品によっては静かな場所で
静かに考えなければ描けないシーンもありますが、
基本はリラックスできる状態に身を置きながら描くのが
一番なのではないでしょうか。
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宮野さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました。
最後の、「絵を描く時間と“自分の楽しみ”を同時進行する」
というお話が印象に残りました。
宮野さんの絵の温かくて包み込むような優しい雰囲気に
通じているのかなと感じました。
今後も、子どもたち、そして大人たちに
“楽しいお絵かきの体験”を提供していきたいです。








